TeraTerm2.3との差分

UTF-8 TeraTerm Pro with TTSSH2(TeraTerm 4.58)とTeraTerm 2.3との機能差分について以下に示します。

機能差分一覧

項目 TeraTerm 2.3 UTF-8 TeraTerm Pro with TTSSH2
ソースコード 開示 開示
開発環境 Visual C++ 5.0 / Watcom C/C++ 11.0 Visual Studio 2005[*1]
ライセンス プロプライエタリ[*2] 修正BSDライセンス[*3]
アイコン TeraTerm[*4] TeraTerm[*4]
TTSSHアイコン TeraTerm TeraTerm[*4]
最大COMポート 16 256
シリアルボーレート 110〜115200 110〜921600
プラグイン組み込み 環境変数"TERATERM_EXTENSIONS"の設定が必要 設定不要
リンクライブラリ SSLeay, zlib OpenSSL, zlib, Oniguruma, PuTTY
TTSSH SSH 1.5 SSH 1.5 and 2
サポートSSHプロトコル シェル、ポート転送、X11転送 シェル、ポート転送、X11転送、SCP
未サポートSSHプロトコル SFTP, SCP SFTP
SSH共通鍵暗号アルゴリズム 3DES, DES, Blowfish 3DES-CBC, Blowfish, AES128, AES192, AES256
SSHパケット圧縮 Yes Yes。SSH2遅延パケット圧縮もサポート。
Pageant[*5]との連携 No Yes
日本語文字コード EUC-JP/Shift_JIS/JIS EUC-JP/Shift_JIS/JIS/UTF-8/UTF-8 MAC
Unicode 未サポート 単一言語サポート[*6]
IPv6 No Yes
半透明ウィンドウ No Yes
ハートビート[*7] No telnet, SSH1 and 2
ウィンドウの最大化 No Yes
スクロールロックキー No Yes
右クリックの禁止 No Yes
オンラインヘルプ WinHelp HtmlHelp
クリッカブルURL No Yes
ホイールマウス No Yes
国際化対応 No Yes[*8]
プロキシ No Yes[*9](HTTP, TELNET, SOCKS4, SOCKS5, SSL, HTTP+SSL, TELNET+SSL, SOCKS4+SSL, SOCKS5+SSL)

そのほかの細かな新機能について以下に示します。


修正されたオリジナルバグ

  1. ウィンドウの幅を120ドット(XPのLUNAスタイルでは94ドット)より小さくすると、ウィンドウサイズを変更できなくなることがある。
  2. 行末のタブが次の行に自動改行されない。
  3. ttpmacro.exeに256バイト以上のコマンドラインパラメータ指定があると、BOF(Buffer Over Flow)で落ちる。
  4. マクロファイルに 256 バイトを越える長い行があると、BOF(Buffer Over Flow)で落ちる。
  5. マクロ実行中に、サーバからの受信データをマクロへDDE送信しないことがある(setsyncコマンドによる同期はttermpro.exeとttpmacro.exe間のDDE通信のみに適用されるため)。
  6. マクロの pause コマンドの待ち時間に 1 秒程度の遅延が発生することがある。
  7. ログ採取中のマクロの実行処理が停止することがある。
  8. マクロ実行中にCPU使用率が100%となることがある。
  9. マクロの除算結果が不正となる。
  10. ZMODEMの送信において、ファイルサイズが20MBを超えるとクラッシュする。

新しいショートカットキー

キー 機能
ScrollLock TeraTermウィンドウのスクロールロック/ロック解除(トグル)
Alt + Enter ウィンドウの最大化(トグル)
Alt + D セッションの複製(SSH, telnetのみ)
Alt + G Cygwin接続
左クリック → Shift+左クリック ページをまたぐテキスト選択、選択済みテキスト領域の伸縮
Shift + マウスドラッグ 廃止(ページをまたぐテキスト選択サポートのため)
Alt + マウスドラッグ ブロック選択

新設されたマクロコマンド

コマンド 機能
connect SSHによる自動ログイン用パラメータを追加。
waitregex waitlnコマンドの正規表現バージョン。1つの行に対するパターンマッチを正規表現で行うことができる。
ifdefined 変数のタイプを調べることができる。
mpause ミリ秒単位でのスリープを行う。
sprintf C言語のprintfライクに書式指定の文字列を生成できる。
str2int 16進の文字列も数値へ変換できるようにした。
fileread ファイルから指定したバイト数のデータを読み込む。
clipb2var クリップボードからデータを読み出す。
var2clipb クリップボードへデータを書き出す。
random 乱数を生成する。
tolower アルファベットを小文字にする。
toupper アルファベットを大文字にする。
break forやwhileループから抜ける。
inputbox デフォルト文字列を指定できるようにした。
rotateleft 左方向にビットローテートする。
rotateright 右方向にビットローテートする。
setenv 環境変数の設定および変更。
filenamebox ファイル名を選択するダイアログボックスを開く。
do - loop ループ制御
until - enduntil ループ制御
callmenu TeraTermウインドウのメニューを呼び出す。
cygconnect Cygwinへ接続する。
scpsend SCPプロトコルでファイルを送信する。
scprecv SCPプロトコルでファイルを受信する。
getver TeraTermのバージョンを取得する。
setbaud シリアルポートのボーレートを変更する。

新設されたteraterm.iniのエントリ

"Tera Term"セクションについて以下に示します。

エントリ 意味
UILanguageFile I18N向けの言語ファイルの指定。デフォルトはEnglish。
ConnectingTimeout TCP接続状態で、切断するまでのタイムアウト時間(秒)。TeraTermの/timeoutコマンドラインオプションでも変更可能。
DisablePasteMouseRButton マウスの右クリックでのペーストを禁止する。
ConfirmPasteMouseRButton マウスの右クリックでのペースト前に問い合わせダイアログを表示する。
DisableAcceleratorSendBreak シリアルコンソールにおいて Alt+B によるBreak送信を無効にする。
ANSIColor 16色のカラーテーブルの設定情報。
EnableContinuedLineCopy 行連結機能を有効にする。
MouseCursor マウスカーソルの種別を変更する。
AlphaBlend ウィンドウの半透明度を設定する。
CygwinDirectory Cygwinのインストール先を指定する。
ViewlogEditor ログを開くエディタを指定する。
Locale Unicodeを扱うためのOSのロケールを指定する。
CodePage Unicodeを扱うためのOSのコードページを指定する。
UseNormalBGColor 文字の背景色をスクリーンの背景色と一致させる。
KanjiReceive "UTF-8"と"UTF-8m"の追加。
KanjiSend "UTF-8"の追加。UTF-8-MACでは送信時はNFCでよいので"UTF-8m"は不要。
URLColor クリッカブルURLの強調表示の色。実際には動作しない。
EnableClickableUrl クリッカブルURLを有効にする。
LogTypePlainText ログ採取のファイル形式を plain text (制御コードを含まない)にする。
LogTimestamp ログ採取時に行の先頭に、採取時のOSのタイムスタンプを挿入する。
LogDefaultName ログ採取時のデフォルトのファイル名を設定する。strftime形式も使用可能。
LogDefaultPath ログ採取時のデフォルトパス名を設定する。
LogAutoStart 接続時に自動的にログ採取を行う。
BroadcastCommandHistory Broadcast Commandのコマンド履歴をteraterm.iniへ保存する。
AcceptBroadcast "off"の場合、Broadcast Commandダイアログを呼び出したウィンドウにはコマンドを送出しない。
TitleFormat フォーマットIDに"13", "29", "45", "61"を追加。
FileSendFilter 送信ダイアログのファイル名フィルタを設定する。
VTCompatTab 行末のタブ表示を VT 端末互換にする。
MaxBroadcatHistory ブロードキャストコマンドの履歴の保存数
DisableAppKeypad, DisableAppCursor アプリケーションキーパッド/カーソルモードを無効にできるようにした。
ClearComBuffOnOpen シリアルポートのバッファをクリアしない。
Send8BitCtrl C1 制御文字 ($80-$9F) を送信に使用する。
SelectOnlyByLButton マウスドラッグによる選択を、左ボタンでのみ有効にする。
TelAutoDetect Telnetコマンド自動検出の無効化
ZmodemRcvCommand ZMODEM の受信コマンド
XmodemRcvCommand XMODEM の受信コマンド
ConfirmFileDragAndDrop ドラッグ&ドロップによるファイル送信の確認
TranslateWheelToCursor アプリケーションカーソルモード時のマウスホイールの動作
HostDialogOnStartup 起動時の "New Connection" ダイアログの表示
MouseEventTracking マウス操作の通知
KillFocusCursor フォーカスが外れた時にもカーソルを表示する
ConfirmChangePaste 改行を含むクリップボードのペースト時に確認ダイアログを表示する
MaximizedBugTweak ウィンドウ最大化時の画面スクロール方法

"TTSSH"セクションについて以下に示します。

エントリ 意味
CipherOrder 3DES-CBCの"7"、AES128の"8"、AES192の"9"、AES256の":"、Blowfish(SSH2)の";"を追加。
ProtocolVersion SSHプロトコルバージョン
HeartBeat キープアライブ(ハートビート)間隔
RememberPassword パスワードをメモリ上へ保持するかどうか。
CheckAuthListFirst 認証を試行する前に、サポートされていない認証方式を無効にする。