VPNサービスは無数に存在しているため、どれを選べば良いのか途方に暮れてしまうことだと思います。そこで、どのようにしてVPNサービスを選べば良いのか、探し方のコツを分かりやすく解説していきます。
おすすめのVPNサービスもご紹介しているので、VPN選びの参考にしてみてください。
VPNとVPNサービス
VPNとVPNサービスは同じ「VPN」であっても利用目的が大きく異なります。ここではVPNとVPNサービスの違いについて解説します。
VPNとは？
VPNはVirtual Private Networkの略で、専用線のような安全な回線を安価に実現するための技術です。
たとえばインターネットのように不特定多数の人々が利用するネットワークでは盗聴や改ざんなどの被害に遭う可能性があります。ですから顧客データだとか企業秘密の情報のやり取りをするために専用線というものが使われることがあります。金融機関では専用線が多く利用されていて、ATMは専用線で結ばれています。
しかし専用線はランニングコストが高額になるため誰でも簡単に導入できるわけではありません。そこで、ネットワーク上に仮想の専用線を構築して重要なデータを安全に送受信できる仕組みが生まれました。それがVPNです。
VPNサービスとは？
VPNは通常であれば自宅や外出先から社内に接続するだとか、本社と支社を専用線のように接続するための技術です。それに対してVPNサービスというのはVPNの特性をサービスとして提供するものです。
VPNには次のような特性があります。
- IPアドレスを変更できる
- トンネリングと暗号化で安全に通信できる
次の章でこれらの特性を生かしてVPNで何ができるのか解説します。
VPNサービスでできること
VPNには「IPアドレスを変更できる」「トンネリングと暗号化で安全に通信できる」というふたつの特性があると前の章で解説しました。この章では、それによってどのような事ができるのか解説します。
IPアドレス変更によってできること
ロケーション制限というのはIPアドレスによって国や地域を判別してアクセス制限をかける行為です。普段インターネットを利用していると気付きにくいのですが、旅行や出張で海外に出掛けたり留学するなどして海外から日本のオンラインサービスを利用しようとするとアクセス不可となりロケーション制限を知る事になります。
人気のオンラインゲームであるウマ娘も海外からプレイできませんし、ｄアニメやTver、ディズニープラスやNetflixといった人気の動画配信サービスも海外から視聴できません。
この問題を解決するためにVPNサービスが利用されます。VPNを使うとIPアドレスが変わるので日本のVPNサーバーに接続すると海外に居てもIPアドレスが日本のものに変更されます。それによってロケーション制限を解除できるというわけです。ただし、オンラインサービスを提供する会社もVPN規制をしている事が多く、どのVPNサービスを利用しても良いというわけではありません。
VPNサービスはIPアドレスが変更されるため、IPアドレスからアクセスした本人を特定する事が非常に難しくなります。TwitterなどのSNSで誹謗中傷メッセージを投稿して逮捕されるのはIPアドレスを隠さずにインターネットを利用していたからです。
VPNサービスを使うとVPNサービス会社に利用者情報の提供を依頼する必要があるのですが、これが一筋縄ではいきません。日本のVPNサービス会社であれば問題ないのですが、海外の会社の場合は匿名性を売りにしているVPNサービスもあり情報提供は難航します。
VPNサービスにはプライバシーを高めるための「ノーログポリシー」を採用している場合が多いです。ノーログポリシーというのは利用者を特定できる通信履歴を保存しないというポリシーです。このポリシー通りに運用されている場合は利用者の特性は諦めた方が良いと言えます。中にはノーログポリシーと言いながらログを保存しているVPNサービスがあるのですが、そのような不安を払拭するために外部の監査機関によってノーログポリシーを証明しているVPNサービスもあり、そのようなVPNサービスを利用しているとインターネットで匿名になることができます。
トンネリングと暗号化によってできること
監視や規制をされているネットワークというと、身近なところでは会社や学校でしょうか。多くの場合、会社や学校ではプロキシサーバー経由でのみインターネットにアクセスできるようになっています。このような状況下ではSSL VPNが威力を発揮します。SSL VPNを使うと一見して通常のHTTPS通信と変わらずプロキシサーバーも経由できるので、会社や学校の閉ざされたネットワークから外部に自由にアクセスできるようになります。
また、ISP（インターネット・サービス・プロバイダー）による監視や規制も回避できます。Winnyやshareを使えなくしたり通信速度を下げるといった規制や漫画村へのアクセスを規制するといった事はVPNを利用するとできなくなります。
VPN通信は暗号化されているので、会社やISPで通信を監視したとしてもVPNサーバーと通信している事しか分からず通信内容については追跡できないのであらゆる規制を回避できるようになるわけです。
海外を中心にフリーWiFiを使った攻撃は多くあります。高級ホテルを狙った事件も起きていますし、そもそも悪意のあるフリーWiFiのつくりかたはインターネットで簡単に手に入ります。
気をつけていれば危険なフリーWiFiの被害に遭わずに済みそうだと思いがちですが、意外と手の込んだ攻撃を仕掛けられる場合があります。しかしVPNサービスを使っていると万が一危険なフリーWiFiに接続してしまっても通信が暗号化されているため盗聴されたり通信を偽装してマルウェアを仕込まれるという被害を防ぐ事ができます。海外に渡航される方はVPNサービスの利用を検討した方が良いでしょう。
VPNサービスの選び方
VPNサービスは無数にあるため、いざVPNサービスに申し込もうと思っても迷ってしまうことだと思います。そこで、どのようにしてVPNサービスを選べば良いのか分かりやすく解説していきます。
VPNサービスを選ぶ際は次のような点に注意すると良いでしょう。
- VPNの利用目的を決めておく
- 同時にVPN接続する端末数を把握しておく
- サポートが必要か考える
- 無料期間をうまく使って試してみる
VPNの利用目的を決めておく
動画を見たいのか、ゲームをしたいのか、匿名性が必要なのか、どのような目的でVPNサービスを使うのか事前に決めておきましょう。それによって選ぶべきVPNサービスが変わってくるためです。
同時にVPN接続する端末数を把握しておく
VPNサービスは同時に接続できる端末数に制限があるものがほとんどです。だいたい3台から10台くらいまで同時にVPN接続できる事が多いです。パソコンとスマホだけしかVPN接続しないならば気にしなくても良いのですが、家族全員でVPNサービスを使うとか友人同士でアカウントを共有しようと考えている方は同時に接続できる端末数は重要です。
サポートが必要か考える
うまくVPN接続できないだとか、突然利用できなくなったなど、トラブル発生時にサポートを利用するのか考えておいてください。というのも、VPNサービスの多くは海外の会社であるため問い合わせは英語になる場合があるためです。どうしても英語でなく日本語でサポートを受けたい方は日本のVPNサービスを利用すると良いでしょう。
無料期間をうまく使って試してみる
VPNサービスは最終的には実際に使ってみて使い心地だとかロケーション解除したいサービスに対応しているのか自分で確かめる必要があります。しかし万が一、思ったようなサービスを受けられないだとかロケーション解除できないという場合に備えて一定期間無料で使えるとか、返金保証のあるVPNサービスを使うと良いでしょう。
多くのVPNサービスは30日間であればキャンセル後に支払った金額を返してもらえる「返金保証」というものを用意しています。
おすすめVPNサービス７選
マルチに使えて匿名性が高いNordVPN
| 月額料金 | 450円～（為替レートによって変わります） |
| 同時接続台数 | 6台 |
| 無料お試し | 30日間返金保証 |
| ノーログポリシー | あり（PwCにより証明済み） |
NordVPNはパナマで運営されているVPNサービスで、通信速度が速くロケーション制限の解除に優れていて匿名性も高いというマルチなVPNサービスです。VPNサービス業界では最大手のひとつとして知られています。
NordVPNを使うと海外からウマ娘をプレイしたり日本の動画配信サイトを視聴できます。ｄアニメには対応していませんが、NetfilxやTver、ディズニープラスといった主要な動画配信サイトには対応しています。
匿名性の高さでも知られていて、利用者の通信履歴を残さないノーログポリシーで運営されている事を外部の監査機関（PwC）によって証明されている数少ないVPNサービスでもあります。また、複数のVPNサーバーを経由させて匿名性を高める「Double VPN」やTorを経由させて匿名性を高める「Onion over VPN」を標準で備えています。
どのVPNサービスを使おうか迷ったらNordVPNを選べば後悔しないでしょう。30日間の返金保証があるので、購入から30日以内に解約すれば支払った代金を返金してもらえます。
高速でロケーション解除に最適なMillenVPN
| 月額料金 | 396円～ |
| 同時接続台数 | 10台 |
| 無料お試し | 30日間返金保証 |
| ノーログポリシー | あり |
MillenVPN（ミレンVPN)はアズポケット株式会社が運営する日本のVPNサービスです。日本のVPNサービスの中では最速で、ウマ娘はもちろん動画配信サイトはすべてロケーション解除できるという無双っぷりが最強です。ただし、ウマ娘をプレイしたりすべての動画配信サイトのロケーション解除をするには無償提供されているMillenVPN Nativeを使う必要があります。
また、中国のVPN規制にも対応していて無償提供されているMillenVPN Native OpenConnectを使うと中国で大規模なVPN規制が始まってもVPN接続できます。
海外から日本のオンラインゲームをプレイしたり動画配信サイトを見る目的であればMillenVPNが最適です。
高速で無制限に同時接続できるSurfshark VPN
| 月額料金 | 324円～（為替レートによって変わります） |
| 同時接続台数 | 無制限 |
| 無料お試し | 30日間返金保証 |
| ノーログポリシー | あり |
Surfshark VPNはオランダで運営されている比較的新しいVPNサービスで、通信速度は最速です。一番の特徴は同時にVPN接続できる端末数が無制限である点です。
また、複数のVPNサーバーを経由させて匿名性を高める「MultiHop VPN」に標準で対応しています。
コストパフォーマンスに優れていて匿名性が高いPIA
| 月額料金 | 209円～（為替レートによって変わります） |
| 同時接続台数 | 10台 |
| 無料お試し | 30日間返金保証 |
| ノーログポリシー | あり（Deloitteにより証明済み） |
PIA（Private Internet Access）は高速で匿名性の高いVPNサービスです。最大10台まで同時接続できるので、たくさんの端末を同時にVPN接続させたい方も安心です。また、Linux向けにGUIアプリを提供しているのでLinuxユーザーにも人気があります。
PIAは利用者の通信履歴を残さないノーログポリシーで運営されている事を外部の監査機関（Deloitte）によって証明しているので、匿名性の高さでも定評があります。
高速で安定した通信のExpressVPN
| 月額料金 | 860円～（為替レートによって変わります） |
| 同時接続台数 | 5台 |
| 無料お試し | 30日間返金保証 |
| ノーログポリシー | あり（PwCにより証明済み） |
ExpressVPNは他のVPNサービスと比較すると若干価格が高いのですが、サーバー台数が多く回線も太いので安定して高速です。動画視聴やTorrentでのファイル交換をする方々に特に人気があります。
ちょっとマニアックで匿名性が高いAirVPN
| 月額料金 | 387円～（為替レートによって変わります） |
| 同時接続台数 | 5台 |
| 無料お試し | 3日間返金保証 |
| ノーログポリシー | あり |
AirVPNはスイスで運営されているVPNサービスで、ハッカーや自由主義者の集団によって立ち上げられました。AirVPNのアプリケーションはTor経由でVPN接続するVPN over Torに対応している他、VPNの検知を防ぐ機能が豊富に揃っている匿名性の高いVPNサービスです。
Linux向けにGUIアプリも提供しているので、PIAと並んでLinuxユーザーに人気があります。ただし、若干マニアックなVPNサービスのため初心者の方よりVPNの利用になれた中級者以上の方に合っているVPNサービスといえます。
最大2ヶ月間無料のセカイVPN
| 月額料金 | 1,100円 |
| 同時接続台数 | 3台 |
| 無料お試し | 最大で2ヶ月間 |
| ノーログポリシー | 記載なし |
セカイVPNはインターリンク株式会社が運営するVPNサービスです。一番の特徴は最大で2ヶ月間無料で使える点でしょう。ほとんどの動画配信サイトを見る事ができ、老舗のため利用者が多いのですが通信速度が遅い点に注意が必要です。高画質な動画を見る際は少し厳しいかも知れません。
目的別のおすすめVPNサービス
ここでは、目的別にどのVPNサービスがおすすめなのか紹介していきます。
海外から日本の動画を見たりゲームをプレイするなら
動画を見たりゲームをプレイするならばNordVPNかMillenVPNがおすすめです。ただし注意点が2つあります。
NordVPNはｄアニメを見られないので、もしもｄアニメを見たい方はMillenVPNを選んでください。
MillenVPNはロケーション解除に優れたMillenVPN Nativeを無料で利用できます。海外から日本の動画を見たりウマ娘などゲームをプレイする場合はMillenVPN Nativeを使う必要があります。
匿名性を求めるなら
匿名性を求める場合、ノーログポリシーが証明されているVPNサービスがおすすめです。現時点でノーログポリシーが外部の監査機関によって証明されているのは以下の3つのVPNサービスです。
Torrentで使うなら
TorrentでVPNを使う場合は通信速度が速いVPNサービスがおすすめです。一番のおすすめはP2P専用のVPNサーバーを提供しているNordVPNです。NordVPNは通信速度も速く匿名性も高いので安心してTorrentでファイル交換できるメリットがあります。
海外ではExpressVPNとPIAもTorrentでの利用に適しているとして人気があります。どちらもノーログポリシーを証明しているので匿名性が高いという点と通信速度が速いという共通点があります。
通信速度が速いという点ではSurfsahrkVPNもおすすめです。しかもSurfshark VPNは同時接続できる端末数が無制限なので、端末数が多い方も安心して利用できます。
まとめ
おすすめVPNサービスやVPNサービスの選び方をご紹介しました。これからVPNサービスを利用しようと検討している方は、この記事でご紹介しているVPNサービスの選び方やおすすめVPNサービスを参考にして、ご自身に合ったVPNサービスを見つけてください。
