技術書籍を読み始めて早20数年。名著もダメな本も沢山買ったわたしが本当にオススメできる技術書・実用書をご紹介します。
読み物としても楽しめる技術書たち
低レベルな処理にワクワクする人向けの名著
SunOSのクラッシュダンプを解析して原因を突き止めろ!SPARCアセンブラが分からないと読んでもまったく理解できない初心者無視のデバッグ本。SPARCプロセッサやSunOSの中にまで踏み込んだ内容で、凄腕技術者の仕事を背中越しにこっそり盗み見するような感覚で読めます。ただし内容はとても高度です。わたしは楽しく読むのに3年くらいかかりました。
Cのエキスパートになるために読むべき名著
エキスパートCプログラミング―知られざるCの深層
1996年3月発売
数あるC言語に関する本の中でも抜群に面白くて高度な技術書です。何気なくC言語を使っている中級者が読むには最適です。Cの演算子の優先順位を知っていますか?char *foo[]とchar (*foo)[]の違いを言えますか?さあ、エキスパートCプログラミングを読みましょう!
表紙のユルさからは想像できない名著
デーモン君のソース探検―BSDのソースコードを探る冒険者たちのための手引き書
氷山 素子(著)
2004年2月発売
BSD Magazineの連載を1冊にまとめた名著。表紙のユルさに騙されてはいけません。ユルいというか、お父さんと息子が全裸でお母さんは裸エプロンという、よく見るととんでもないセンスの表紙ですが内容は比較的高度です。この本が出た当時、わたしはメインマシンにNetBSDをインストールして朝から晩までプログラミングに明け暮れていました。この本はその頃のいい思い出です。ずいぶん前に出版された本ですが今でも通用する名著です。楽しく読めるので読み物としてもオススメです。
イケてないコードから学ぶ
改訂新版 Cプログラミング診断室
藤原 博文(著)
2003年7月発売
反面教師となるダメなソースコードを参考に、どこがダメなのか、どうすれば良いのか解説する他の技術書とは違ったアプローチで迫る名著です。世の中には様々な事情で自分の想像もできないコードを書く人がいるのだな、と良い勉強になる本です。1度は読んでおいて損がないと思います。
作業自動化・効率化に役立つ本
解説が分かりやすいPythonによる自動化の話
シゴトがはかどる Python自動処理の教科書
クジラ飛行机(著)
これからPythonで自動化を試してみたい方におすすめの一冊です。自動化といっても何ができるのか?どうやれば良いのか?という亊が分かりやすく解説されています。Pythonに馴染みが薄い方でも解説が分かりやすいため比較的容易に読み進める亊ができそうです。
結構おすすめ。
読んでおきたいおすすめ本
インフラエンジニアのバイブル
マスタリングTCP/IP 入門編 第5版
2012年2月発売
この本は読んで面白いかと聞かれると正直なところまったく面白くないのですが、ネットワークに携わる者であれば知っておくべき知識が詰まっています。ネットワークエンジニアというとルーティングやスイッチングに知識が偏りがちなので、これからインフラ(ネットワーク)エンジニアとして働く方は精読して基本的な知識を身につけておくと良いでしょう。
ネットワークスペシャリストを受ける方にも最適な1冊です。
全然初心者向けではないC言語のバイブル本
プログラミング言語C 第2版 ANSI規格準
1989年6月発売
D.M. リッチー (著), 石田 晴久 (翻訳)
C言語を使うプログラマでこの本を読んでいない者はモグリと言われるほどのバイブル本です。重版に重版を重ねて今は何版なんでしょう?とにかく地味に売れ続けているのがこの本がバイブルである証拠です。ただ、誤解している方が多いのですがこの本はC言語をこれから勉強する方に向けた入門書ではありません。そこのところ注意してくださいね。この本は中級者向けです。
Python使いなら手元に置いておきたい名著
エキスパートPythonプログラミング改訂2版
2018年2月発売
Python使いならば読んでおきたい名著です。Pythonは比較的簡単にかけるようになるのですが、本当に使いこなすとなると話は別です。Pythonのシステム開発におけるベストプラクティスを学ぶにはこの本が最適です。いつも手元に置いておきましょう。
すべてのC言語学習者におすすめする名著
Cプログラミング専門課程
藤原 博文(著)
1994年12月発売
知る人ぞ知るC言語の名著。これからC言語を勉強する人におすすめ本を聞かれたら必ずリストに入れるであろう本です。特にメモリについての解説は秀逸で、ポインタでつまずいた方はこの本を読むと良いでしょう。
ハッカーによるハッカーのためのネットワークプログラミング名著
UNIXネットワークプログラミング〈Vol.1〉ネットワークAPI:ソケットとXTI
篠田 陽一 (翻訳)
1999年7月発売
この本は何がすごいかって、書いた人も翻訳した人も世界最高レベルのハッカーという点です。まさにミラクル。クライアント&サーバから低レベルなネットワークプログラミングまで、丁寧かつ詳細に解説されています。ネットワークプログラミングに携わる方は必読です。パケットアナライザーやパケットジェネレーターを書く人も一度は読んだ方が良いでしょう。
実例から学ぶプログラミングテクニック
プログラミングテクニック―UNIXコマンドのソースコードにみる実践プログラミング手法
多治見 寿和 (著)
2003年11月発売
フリーUnixのメリットのひとつは高品質なソースコードが読める事です。この本はUnixコマンドのソースコードをもとに、どのような仕組みで書かれているのかかいつまんで解説してくれるので、似たような実装をする際は大いに役に立つでしょう。
ネットワークエンジニアにおすすめの本
動作試験のイロハが分かる本
インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク「動作試験」入門
みやた ひろし(著)
2021年12月発売
動作試験って重要視していない人が少なくないですよね。構築後に通信が遅いと思ったら10-halfでUPしていたなんて話は意外と多いです。こういうのはケーブル接続後にインタフェースのステータス確認をしていれば発見できるのですが、やらない人が多いんですよね。
そういうミスがないよう動作試験はとても大事で、この本は基本的なところから分かりやすく解説しています。これからネットワークエンジニアになろうという方だけでなく、現役の方も一読しておいた方が良いと思います(わたしも読みました
ルーティングを分かりやすく解説している本
とこトンやさしいIPルーティング
久米原 栄 (著)
2004年9月発売
今まで色々なネットワーク解説書を読みましたが、この本は最高に分かりやすくておすすめです。CCNAやCCNPの勉強にも使えます。問題集を解くよりもこの本を読んだ方が良いかも知れません。ルーティングについて学びたい方には最適な解説書でしょう。
わたしは読み過ぎて本が破れてしまったので2冊買いました。おすすめです。
ネットワークの知識を深めるのに役立つ本
ネットワークはなぜつながるのか
戸根 勤 (著)
中級者が読むと足りない知識を補うことができるのでおすすめです。初心者には少し難しい本かも知れません。
ネットワーク全般に対する知識を深めるためにも是非とも読んでいただきたい一冊です。
仕事で役に立つかも知れない実用書
伝わる文章を書きたいあなたに
理科系の作文技術
1981年9月発売
報告書、手順書、説明書、そのような類の文書を書く機会が多い方は是非ともこの本を読んで相手に伝わる文書を書く訓練を行いましょう。わたしはこの本の中でも「事実と意見の書きわけ」がとりわけ気に入っています。
相手に伝えることが苦手なあなたに
プレゼン以前の発表の技術
尾方 僚 (著)
2011年10月発売
どの職種でも伝える力は重要です。エンジニア職の方も例外ではありません。
エンジニアの場合、知識が豊富な方に多いのですが丁寧に伝えようとし過ぎて「結局何が言いたいの?」「もっと分かりやすく話して」と言われることが少なくありません。本書は相手に上手く伝えるにはどうすれば良いのか?そんなヒントが詰まった本です。身に覚えのある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。