ぼくは2013年に会社を辞めてフリーランスに転向しました。
今回はフリーランスに転向しようか考え中のネットワークエンジニアに向けて、フリーランスってどうなの?というところをお話してみたいと思います。
※あくまでもぼく個人とぼくの周りのフリーランス事情なので、すべてのフリーランスエンジニアが該当するわけではないです。
タップできる目次
フリーランスのお金事情
何でも経費で落とせるの?
フリーランス(自営業者)のメリットは経費が使えるところです。というか経費で落とさないと税金の支払額がかなり負担になります。
フリーランスの場合は仕事に関連するものであれば、パソコンやスマホ、交通費、飲み代、家賃、光熱費などを経費として計上できます。
ぼくは今使っているパソコンも先日買ったiPhone 14 Proも経費にしていますし、家賃や光熱費も半分くらいは経費にしているので年間だと結構な額になります。
こういう一面を見てフリーランス(自営業者)は税金を支払っていないような言われ方をする事が多いのですが、サラリーマンの方はご自身の「給与所得控除」がどれだけ手厚いか知らないだけです。
フリーランスに厚生年金はない
フリーランスは厚生年金がありません。そのためフリーランスはiDeCo(個人型確定拠出年金)をフル活用しています。
iDeCoならフリーランスは毎月6万8千円まで拠出でき、拠出金を全額所得控除にできるのでフリーランスのiDeCo加入率はかなり高いです。ぼくもiDeCoで毎月6万8千円を拠出しているので年間81万6千円の所得控除を受けています。
もしもフリーランスへの転向を検討している方はiDeCoについて調べておく事をおすすめします。
フリーランスに退職金はない
フリーランスは会社勤めではないので、当然ですが退職金がありません。ただ、退職金変わりに「小規模企業共済」という制度があって、毎月7万円まで拠出できます。小規模企業共済への拠出金も全額所得控除を受ける事ができます。
iDeCoと小規模企業共済は将来への備えができる上に節税効果が非常に高いので、ぼくが知っているフリーランスは皆が両方に加入しています。
フリーランスって儲かるの?
ぼくの周りに限った話ですが、フリーランスのネットワークエンジニアは高収入の人が多いです。少ない人でも600~700万円くらいで、年収1000万円は特に多いわけでもないです。
ぼくのように複数の稼ぎ口があるフリーランスの場合は総じて年収1000万円を超えていて、3000万円くらい稼いでいる人もいました(その人は会社をつくって法人成りしました)。
ぼくはまだまだ発展途上で、2022年は年収1,200万円くらいの予定ですが来年以降は更に年収をアップさせるつもりです。フリーランスの場合はぼくのように年収アップを常に考えている人が多く、実際に年収が上がるように動いています。
ぼくらは給料が上がらない!と嘆く事はなく自分から年収アップのために動くので、年収を上げようというマインドと行動力がサラリーマンの方とは違います。
フリーランスってクレジットカード作れるの?
もちろん作れますが、初年度は難しいかも知れません。
ただし数年の実績があれば問題なくクレジットカードをつくれますし、ステータスの高いクレジットカードも持てます。ぼくの例ですと、アメックスのプラチナ・カードやダイナースクラブのプレミアムカードのインビテーションが来ました。ぼくはどちらも保有しています(アメックス プラチナ・カードはインビテーション制ではなくなりました)。
アメックスやダイナースにはビジネスカードもあって、そちらを持っている人もいます。
ダイナースクラブは会食などで威力を発揮しますし銀座のラウンジを使えるので、結構重宝しています。
フリーランスに向いている人・向いていない人
次のような方はフリーランスに向いていないので会社員を続ける事をおすすめします。
- 帰属意識が強い
- 今の会社でリストラされるのが不安
- 自分から動いて仕事をする事は苦手
- ひとりで行動するのが苦手
フリーランスは一匹狼的な人が多くて、周りに頼ったり仲間意識が強い人は少ないです。かといって協調性がないという事ではなくて、フリーランスが集まって仕事をする事もあります。
ぼくの周りに限った話ですが、フリーランスが集まって仕事をするときでも淡泊というか目標に向かって各自が仕事をして、仕事を終えると「じゃ」と言って解散する感じです。会社だと仲良しグループのような雰囲気になる事が多いのですが、フリーランスはそういう馴れ合いっぽい付き合いを好まない傾向にあると思います(あくまでもぼくの周りの話ですが)。
ですから会社の仲間と一致団結して仕事をするという働き方に喜びを感じている方はフリーランスに向いていません。
フリーランスって将来不安じゃないの?
よく言われるのですが、ぼく個人はさほど不安じゃないです。むしろ正社員で安心している方が不安じゃないの?と思います。
ぼくらフリーランスはどんな環境でも生き残るためのスキルを持っています。それは技術的なスキルもそうですし、新しい環境になじむスキルもあります。
それにぼくはお金を稼ぐ手段が複数ありますし、ぼくが働かなくても自動的にお金が入ってくる仕組みを作っているので、ぼくが病気や事故に遭って入院生活になっても多少収入が減りますがお金を稼ぎ続ける事ができます。
この辺りの備えはサラリーマンの方とは違います。
フリーランスの仕事の探し方
フリーランスのネットワークエンジニアが仕事を探す場合、いくつかのパターンがあります。
- 自分自身で仕事を請け負う
- 仲間内で仕事を回す
- エージェントを使う
①の場合、ぼくの知っている人ですと専門知識を生かしたWEBサイトを運営して広告費を稼いだり、講演したり、ネットワークの設計構築を請け負ったりしています。ネットワークの設計構築を請け負う場合は②で書いている仲間内で仕事を回す事があります。ぼくも設計や構築を知り合いのフリーランスの方から請け負ったりしています。
③はエージェント会社に営業活動を丸投げするやり方です。見かけはSES会社に所属するのと変わらないのですが、単価交渉ができるという違いがあります。フリーランスの場合はフリーランス専門のエージェント会社というものがあって、フリーランスのネットワークエンジニアの多くがエージェントを活用しているとおもいます。
フリーランス向けのエージェント会社でおすすめなのは、全国的に展開していてフリーランス界隈では老舗のPE-BANKです。ぼくも利用していて、プログラマー向けの案件が多いもののネットワークエンジニア向けの案件も提案してくれます。PE-BANKはマージン率(単価から差し引く手数料)が8%という低さもあって人気があります。
エージェントは複数登録できるので、最低でもPE-BANKは登録しておいた方がいいと思います。
関連:PE-BANK公式サイト
フリーランスになる手続き
フリーランスって特に資格があるわけでもなく免許制でもないので、ぼくはフリーランスですと言えばフリーランスです。
ただし最低限の以下の3つの手続きは必要です。
①国民年金の手続き
会社員の方で厚生年金に加入していた方は、これからは自分で国民年金を納める必要があります。
参考:会社を退職した時の国民年金の手続き|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
②社会保険から国民健康保険への切り替え
会社員の方は社会保険から国民健康保険への切り替えが必要です。市区町村の役所窓口で手続きできるので、お住まいの市区町村の役所のホームページを見てください。手続きに必要なものや注意事項、手続き方法が書かれているはずです。
例:国民健康保険加入の届出 | 世田谷区ホームページ (setagaya.lg.jp)
③開業届(青色申告)
開業届けというのは「わたしはこれから自営業者として開業します」という事を税務署に知らせる手続きです。開業届けは開業日から1ヶ月以内に管轄の税務署に提出する事が推奨されています。
開業届けと聞くと難しいイメージがありますが簡単です。ぼくが実際に提出した開業届けを見てください。
簡単でしょ?注意点は「青色申告」で届け出をする事です。青色申告のメリットは税制優遇がある点です。白色申告の方が帳簿の付け方が簡単なのですが、帳簿はソフトで自動的に作成できるので簿記の素人でも大丈夫です。
青色申告書で届けるには一緒に「所得税の青色申告承認申請」を提出します。これも記入は簡単です。
どちらも用紙は税務署に置いてあって、書き方が分からないときは署員の方が教えてくれるので大丈夫です。
確定申告って難しいくない?
今は専用のソフトがあるので簡単ですよ。
ぼくのおすすめは「やよいの青色申告オンライン」です。クラウドソフトなのでWindowsでもMacでも使えます。帳簿データもクラウドで管理してくれるので安心です(昔は自分のパソコンで保存していたので)。
やよいの青色申告オンラインがおすすめなのは利用者が一番多いからですね。しかも老舗なので安心感があります。この手のソフトは価格よりも安定性と信頼性が大事なので、ぼくは最初からやよいの青色申告オンラインしか眼中になかったです。
やよいの青色申告オンラインの場合、クレジットカードや銀行口座を登録しておくと自動的に取引内容を取り込んで帳簿に付けてくれるので楽です。現金のやり取りだけは自分で入力する必要がありますが、ぼくのようにクレジットカードと銀行振込だけで済ませている人間はほぼ自動化されていて確定申告が楽です。
体験版もあるので、一度使ってみたら良いでしょう。
フリーランスって結婚に不利?
確かにイメージとしては正社員という肩書きが有利です。
ぼくの場合、奥さんの親戚はぼくがお金を稼げるのか?安定した生活ができるのか?と不安だったようですが、うちは奥さんの理解があるので奥さんから説明していました。
ぼくは社会情勢や自分自身の健康状態が悪化してもお金を稼ぎ続ける事ができるように準備しているので、その辺りを普段から丁寧に奥さんに説明しています(現在の資産状況や収入の状態など)。
もしも結婚を考えている相手がいる場合はフリーランスになる前に話し合った方が良いでしょう。
まとめ:フリーランスのメリット・デメリット
まとめると、フリーランスのメリットとデメリットはこんな感じです。
メリット
- 高収入を見込める
- 働き方が自由
- 日本全国どこでも働ける
- 会社に依存せずしぶとく生き残る
デメリット(注意点)
- 社会保障制度が正社員ほど手厚くない
- 不安定というイメージがある
- 養う家族がいる場合は家族の理解が必要
日本はフリーランスが増えているので、これから社会保障制度が変わってくるかも知れません。終身雇用制度も崩れている事ですし、ひとつの働き方としてフリーランスという選択も検討に値する時代なのではないか?と思います。