- クラウド型の検索順位チェックツールを探している
- GRCとNobilistaの違いを知りたい
- Nobilistaがどんな感じのツールなのか知りたい
検索順位チェックツールといえばGRCがとても有名で、多くの人に利用されています。わたしもユーザーのひとりです。
このWEBサイト(infrapod.net)は自分用のメモサイトのようなものですから順位を調べることはないのですが、検索ワードを意識して作成しているWEBサイトを他に持っているので、そちらの順位を毎日調べています。
ただ、GRCを使う上で不満もあり、その不満を解消するべく「Nobilista」という検索順位チェックツールを使ってみることにしました(読み方は「ノビリスタ」)。
結論から言うと、かなりおすすめです。
タップできる目次
GRCはインストール型のため制約がある
ご存じの方が多いと思いますがGRCはWindows専用のインストール型アプリケーションです。そのためスマホで順位をチェックするとかMacにインストールして使うことができません。もちろんChromebookでも使えません。
GRCの公式サイトにも書いていますが、MacでGRCを使いたい場合はWineを使うとか仮想マシンにWindowsをインストールして使うとか、そういう面倒なことしなくてはいけません。
そして順位検索を実行するにはGRCが起動していないといけません。当然といえば当然なのですが、それはつまりGRCで定期に順位検索をおこなう設定をしている場合、その時間にGRCを起動させておく必要がある、ということです。
わたしは毎日午前0時にGRCで順位検索をおこなうように設定しているのですが、自分のPCをその時間に起動しているとは限らないためさくらのVPSでWindows Serverを契約し、VPSにGRCをインストールして動かしています。
VPSだと24時間365日稼働させられますし、デスクトップパソコンやノートパソコン、スマホなどから時間や場所を選ばずにVPSへリモートデスクトップでログインして結果を見ることが出来ます。
これはこれで良いのですが、VPSは月額料金が必要です。GRCを動かすためにさくらのVPSを契約するというのも本末転倒な気がしますよね。c
また、他の人とGRCの順計測結果を共有したい場合、閲覧する側でスタンダード以上のGRCライセンスを用意する必要があります。しかもGRCのデータをファイル共有する必要があるので同じネットワーク内にいない人(社外の人など)と共有する場合はDropboxだとかGoogle Driveのようなファイル共有サービスを利用しなければいけません。これは結構面倒です。
そこで、これらの不満点を解消するべくクラウド版の順位検索ツールを探していてたどり着いたのが「Nobilista」です。
[ept3-block id=”12884″]Nobilistaのメリット
整理すると、わたしのGRCに対する不満点は次のとおりです。
- Macやスマホでも順位検索結果を見たい
- 定時実行するためにGRCを起動しておくのが面倒
- 外出先からサクっとスマホで順位検索結果を見られない
- GRCをインストールしていないパソコンでは順位検索結果が見られない
- 順位検索結果を共有するためにGRCのライセンスを買い増すのが嫌
これらの不満点を解消するには特定のパソコンにソフトウェアをインストールする必要がなくどこからでも計測結果を閲覧できる、クラウド版のツールが必要となります。
Nobilistaを使った場合のメリットは次のとおりです。
- アプリケーションをインストールしなくていい
- アプリケーションをインストールしないのでアップデートが不要
- 自分でデータ管理しなくて良いのでデータの消失やデータの引越を考えなくて良い
- どこに居ても、WEBブラウザがあれば順位検索結果を見ることができる
- サーバー側で定期的に順位検索をしてくれる
- 計測結果の共有が簡単で追加費用が不要
やはりアプリケーションを自分で管理しなくて良いというのは大きなメリットです。パソコンを買い替えたからデータの引越をする必要があるとか、パソコンが故障してデータを消失したという事は基本的にありません。
また、仕事中でも旅行先でもスマホさえあれば検索順位の計測結果を見られるというのは大きなメリットです。
Nobilistaを使ってみる
ということでNobilistaに乗り換える価値があるのか調べるために実際に使ってみることにしました。
7日間の無料体験ができますから、実際に試してみます。まずは公式サイトからアカウントの作成をおこないます。
[新規登録]をクリックするといきなりダッシュボードにアクセスします。住所氏名だとかクレジットカードの登録は不要です。登録が面倒で途中で離脱する人が多いと思うので、この辺りはよく考えられていると思います。
ではWEBサイトの登録をしてみます。
[新規ウェブサイト登録]をクリックすると登録画面に遷移します。検索エンジンは今のところGoogleだけです(2022年中にYahoo!、Bing、さらにBaiduにも対応する予定)。また、調査対象を特定の1つのドメインに絞るのかサブドメインも含めるのか選択できます。
国は「イタリア」「ドイツ」「日本」「韓国」「スペイン」「イギリス」「アメリカ合衆国」から選択できるので日本国外のGoogle検索結果も調査できます。
次にキーワードを登録します。CSVファイルをアップロードできるのは良いですね。「順位の計測は毎朝5時頃に行われます」とあるので自分で時間を指定したり任意のタイミングで調査することはできないようです。
適当に10個のキーワードを入れて[完了]ボタンをクリックしました。
ちなみに、CSVファイルのアップロードですが、実際にCSVファイルをアップロードしたらうまくいきませんでした。
「キーワード1,キーワード2,キーワード3」といった形式のファイルをアップロードしたところ「キーワード1,キーワード2,キーワード3」がそのまま1つのキーワードとして登録されてしまいます。
そのため、下記のように1行ごとにキーワードを記載したファイルをアップロードしたところ想定通りにキーワードを登録することができました。
キーワード1
キーワード2
キーワード3
サポートに問い合わせたところ、修正に時間がかかるので、1行ごとにキーワードを記載したファイルをCSVファイルとして読み込ませて欲しいという連絡がありました。
キーワード登録が完了してしばらくすると「最初の順位計測が完了しました」というメールが届きました。初回は朝5時まで待たずに計測を実行するようです。
このメールの後にキーワードを追加するとメールは届きませんが追加したキーワードの計測は実行されていました。さらにもう一度キーワードを追加すると「翌日測定」と表示されていたので、1日にキーワードを追加・変更する回数に制限があるのかも知れません。
共有URLでレポート情報を部外者と共有できる
これぞクラウドツールというところですが、Nobilistaはレポート情報を閲覧できる共有URLを発行することができます。
また、「閲覧者」「編集者」「管理者」という3つの権限を与えることができ、「閲覧者」は閲覧しかできませんが「編集者」や「管理者」を選択するとキーワード追加などができるようになります。
これはかなり便利だと思います。なお、パスワード認証なしに強い権限を与えることができるので注意が必要です。
共有URLから契約内容・支払いといった設定項目には触れることはできないので安心です。
Nobilistaの概要
支払い方法
支払い方法はクレジットカードのみで、主要なクレジットにはすべて対応しています。
- JCB
- VISA
- マスターカード
- アメックス
- ダイナースクラブ
Paypalや銀行振込、その他の支払い方法には対応していないようです。
プラン
プランは「パーソナルプラン」「ビジネスプラン」「エンタープライズ」の3つあります。
基本的な違いは登録サイト数と登録キーワード数で、競合サイトの順位計測などの機能は先日(2022年8月)リリースされました。
[ept3-block id=”12916″]計測結果の表示期間
ダッシュボードを見ると過去3ヶ月までのレポートを見られるようです。個人的にはこれはちょっと短いかな?と感じます。1年くらい通して履歴を見たいかな。
グラフでのレポートでは16ヶ月間の表示もできるので十分でした。
グラフは最近デザインが変わって見やすくなりました。こんな風に過去16ヶ月間に渡ってグラフを表示させられます。
GRCとNobilistaの比較
Nobilistaが登録できるキーワード数
Nobilistaが登録できるキーワード数はパーソナルプランが150個、ビジネスプランが200~1000、エンタープライズが要相談です。
なお、登録可能なキーワード数はすべてのウェブサイトでの合計です。登録するウェブ単位ではないので注意してください。
登録できるサイト数とキーワード数はGRCの方が上
登録できるサイト数とキーワード数はGRCの方が圧倒的に多いです。
GRCは1番安いプラン(495円のベーシック)でも5つのサイトを登録できて登録キーワード数も500です。Nobilistaのパーソナルプランと同じ価格のGRCスタンダードプランならば50サイト登録できてキーワード数は5000です。
ただしNobilistaはサブドメインも1つのサイトとして登録できるため、複数のドメインを持たずサブドメインを分けて運用している方であれば登録できるサイト数はさほど気にならないかも知れません。
Nobilistaで多くのキーワードを登録する必要がある場合、もしくは後からキーワード数を増やすかもしれない場合は最初からビジネスプランを選んだ方が良いです。
ビジネスプランは登録キーワード数によって価格が変わります(登録サイト数は変わらない)。パーソナルプランとビジネスプランの価格差は300円~なので個人的にはパーソナルプランでなくビジネスプランを選択した方が後々楽なのではないかと思います(プラン変更せず登録キーワード数を変更できるため)。
登録キーワード数 | 月額料金 |
200 | 1,290円 |
300 | 1,980円 |
400 | 2,480円 |
500 | 2,970円 |
600 | 3,690円 |
700 | 4,290円 |
800 | 4,900円 |
900 | 5,490円 |
1000 | 5,990円 |
Nobilistaは検索ボリュームと想定アクセスを表示してくれる
Nobilistaが良いなと思ったのはこれです。これが欲しかった。現在、GRCにはこの機能がありません。
設定したキーワードに対して検索ボリュームと、順位から想定されるアクセス数を表示してくれるんですね。これは良い。
また流入経路(キーワード、画像、強調スニペットなど)、上位ランキングの難易度も表示してくれます。
使っていて分かったのですが、検索ボリュームを正確に表示させるにはキーワードプランナーで表示されるキーワード、もしくはサーチコンソールの「検索パフォーマンス」で表示される「クエリ」をNobilistaのキーワードとして指定すると良さそうです。
自分で考えたキーワード(サーチコンソールなどで表示されていないキーワード)では検索ボリュームが「0-10」と表示されるようです。
設定や操作感はNobilistaの方が楽だし分かりやすい
アラート設定を例にすると、Nobilistaはウェブサイトを選択⇒キーワードを選択⇒条件を指定という流れなのですが、GRCは検索項目ごとにアラート指定する必要があり見づらいし分かりづらいです。
GRCは多機能なのですが、その代償としてユーザーインターフェースがゴチャゴチャしているので、GRCは慣れた人でないと非常に操作感が悪く使いづらいです。
そういった点ではNobilistaの方が使いやすさ、わかりやすさの点では上でしょう。
順位計測結果の共有はNobilistaの方が圧倒的に上
GRCで順位計測結果を共有したい場合、双方にGRCをインストールする必要があります。
GRCの共有ではライセンスに注意が必要で、共有元のライセンスは1番安いベーシックライセンスで良いのですが、共有先のGRCはスタンダード以上のライセンスが必要となります。
また、データ自体を共有する必要があるので、Windowsのファイル共有やGoogleドライブ、Dropbox、OneDriveなどを使ってGRCのデータを共有する必要があります。
これ、かなり面倒です。
それに対してNobilistaならば共有URLを発行して伝えれば良いだけなので簡単です。GRCのように追加ライセンスを必要としないため順位計測結果の共有はNobilistaの方が圧倒的に簡単で利便性が高いです。
様々なニーズに応えるのはNobilista
GRCにはパソコン検索の計測をおこなう「GRC」、スマホ検索の計測をおこなう「GRCモバイル」、海外Googleの計測をおこなう「GRC-W」の3つがあります。
これらは用途に合わせて別途購入する必要があり、アプリケーションも別々にインストールしなければいけません。お金はかかるしインストールも面倒ですよね。
それに対してNobilistaは今後の対応でパソコン検索、スマホ検索、海外検索、これらすべてが統合されます。
追加費用を支払うことなくNobilistaではこれらの機能をすべて使えるようになるため、GRCでスマホ検索に対応したGRCモバイルを追加購入しようか迷っていた人がNobilistaに流れてくるかも知れません。
やはり、このあたりがクラウド版アプリケーションの魅力ですね。
(今のところ)NobilistaはGoogleしか対応していない
GRCがGoogleとYahoo!、Bingに対応しているのに対してNobilistaはGoogleにしか対応していません。
これはどう捉えるかの問題で、わたしはGRCでBingのチェックをしていませんしYahoo!は裏でGoogleを使っているのでGoogleとYahoo!の検索順位ってほとんど変わらないんですよね。
ですからNobilistaがGoogleにしか対応していないという点について、わたしはまったく気にしておらずマイナス点とも思いません。検索流入はほぼGoogleですし。
ただ、2022年中にYahoo!、Bing、さらにBaiduにも対応する予定とのことなので、Google以外にも対応して欲しい方も安心して使えそうです。
サポートへの問い合わせはNobilistaの方が簡単
GRCはメールで問い合わせる必要があるのですが、Nobilistaはクラウドツールなのでダッシュボードから問い合わせることができます。
画面上部の[お問い合わせ]をクリックすると画面右下に問い合わせ画面が表示されるのでメッセージを入力し送信できます。必要であれば画像ファイルもアップロードできます。
メッセージを送信すると登録しているメールアドレス宛てに担当者の方から折り返しの連絡が入ります。
CSVファイルのアップロードがうまくいかないため問い合わせたところ翌営業日には担当の方からメールを頂きました。
今後の展望
今後Nobilistaに追加される機能
2022年中に追加される機能は次のとおりです。
競合サイトの順位チェック(2022年8月に追加済み)- スマホ版の順位計測
- 地域検索(ローカルSEO)への対応
- 他言語対応(英語、アジア圏・ヨーロッパ主要言語)
- Yahoo!やBing、Baidu等Google以外の検索エンジンへの対応
価格据え置きでこれらの機能が追加されると、これはかなり期待できるのではないかと思います。とくに競合サイトの順位チェックやスマホ版の順位計測が追加されるとNobilistaの注目度が一気にUPするでしょう(注: 2022年8月に競合サイト順位チェックが追加されました)。
GRCのようにスマホ版の順位計測を別アプリケーションにせずNobilistaに統合しているので、GRCユーザーでスマホ版の順位計測をおこないたいと考えている方は今からNobilistaをチェックしておいた方が良いでしょう。
Nobilistaを使っていて気になったこと
午前0時から5時間くらい計測結果を見られない
Nobilistaはいつでもどこでも検索順位の計測結果を見られるのですが、午前0時になると検索順位の計測結果が見られない状態になってしまいます。
この状態は朝の検索順位計測が終わるまで続くので、午前0時から5時間くらい過去の計測結果を含め見られない状態になります。
これはちょっと不便かな?と思いました。
サブスクリプション契約したのにメールが送られてくる
わたしは無料期間中にサブスクリプションの申込みをおこなったのですが、クレジットカードを登録して支払いが済んでいるのに「クレジットカードを登録してください」という案内メールが何度も無料期間が終わるまで届いていました。
あれ?サブスクリプションの登録できていないのかな?と不安になるので、細かいですが改善して欲しいと思いました。
無料期間を終えた感想
7日間の無料期間はあっという間に過ぎますが、良くも悪くもGRCほど多機能ではないのと、使い方が直感的で分かりやすかったので使用感はつかめました。
ということで、わたしはパーソナルプランからから始めることにしました。GRCは登録できるキーワード数が多かったため不要なキーワードも登録していたのですが、Nobilistaを使い始めるにあたり本当に順位計測したいキーワードを厳選して登録することにしました。
もしも登録キーワードが150を超えそうになったらビジネスプランにアップグレードしようと思います。
Nobilistaを使い始めようと思った決定打はやはり検索ボリュームと想定アクセス数、SEO難易度がパッと分かる点です。これはわたしにとって必要な情報だったのでGRCから乗り換えるに値すると判断しました。
わたしの場合はさくらのVPSも一緒に契約していたので、それを考えるとNobilista単体の方が月額料金としては安くなるというのもあります。
Nobilistaの購入(契約)はこんな感じ
使い続ける決心をした方は無料期間が終わる前に購入しましょう。初回料金は日割りになります。
クレジットカードは「JCB」「VISA」「マスターカード」「アメックス」「ダイナースクラブ」すべて対応しています。試しにわたしのクレジットカードを登録してみました。
支払いするクレジットカードを選択して[購入する]ボタンをクリックして支払いが完了するとこのような画面に遷移します。
「無料トライアル期間中」というのが気になりますが、無料トライアル期間中に購入したのでこのような表示になっているのでしょう。
これから使い心地など確かめつつ新機能が追加されるなどしたらレポートしたいと思います。
Nobilistaはこんな人向け
- 外出先・旅行先から順位計測結果を見たい人
- 検索ボリューム表示機能が欲しい人
- 想定アクセス数表示機能が欲しい人
- 定期的な順位計測のためにパソコンを起動したくない人
- パソコン検索、スマホ検索の両方を計測したい人(スマホ検索は2022年中に追加予定)
- MacやLinux、Chromebookユーザー
わたしのようにGRCで定期的に順位計測させるためにVPSを利用していたりパソコンを起動し続けている方はNobilistaに乗り換える価値があります。GRCへのこだわりが無ければ、ですが。
わざわざVPSを利用しなくても自分でGRCを起動して手動で順位検索すれば良いではないか、という意見もありそうですが、順位計測は毎日同じ時間に実行しデータを蓄積することに価値があります。
仕事が忙しくて計測できなかったとか、病気で寝込んでいたとか、うっかり忘れたとか、そういうデータの取りこぼしをしたくないので自動化は必須です。
完全に自動化するにはもはや自分でアプリケーションやデータを管理するのではなく、Nobilistaのようなクラウドツールにすべて任せてしまうというのが1番確実で簡単な方法では無いかと思います。
まとめ
GRCは有名なツールなので利用され続けると思いますが、今後はNobilistanのようなクラウド型ツールが主流になるのではないかと思います。
GRCを使っている方はノウハウや蓄積したデータなどもあると思うので簡単には移行できないでしょうが、そうでない方はNobilistaの方がおすすめかな?と思いました。
わたしはNobilistaを使い始めてから朝起きてスマホで順位検索の結果を見ることが日課になりました。GRCをメインに利用していたときはWindowsマシンにログインしてからリモートデスクトップでVPSにログインして、それから順位検索をするという面倒な作業をしていたので、スマホでパッと見られて格段に楽になりました。
クラウドツールのNoblisitaはとても簡単に扱うことできますし、いつでもどこでもスマホで順位をチェックできるので是非一度試して見て欲しいです。気になった方は7日間の無料お試し期間で使い心地を試してみることをおすすめします。
Nobilista:https://nobilista.com/
GRC:https://seopro.jp/