Linux VPSを利用する上で一番気になるのはランニングコストでしょう。また、ストレージ容量の変更や追加、バックアップ機能など気になる点が多いです。
そこで、現役エンジニアが価格や機能を徹底的に比較しました。VPS選びの参考にしてみてください。
Windows ServerのVPSについてはこちらで解説しています。
LinuxVPSを最安値プランでランキング
とにかく安くVPSを使いたい方に向けて各社の最安値プランからランキングを作成しました。価格重視の方は参考にしてみてください。
1位【277円】ConoHa VPS
費用 | 月額 277円(36ヶ月払いの場合) 1時間 1.1円(月額上限682円) |
初期費用 | 0円 |
CPU | 1vCPU |
メモリ | 512MB |
ストレージ | SSD 30GB |
無料体験 | なし |
人気が高く利用者が多いConoHa VPSが最も手頃な価格で安値プランを提供しています。短期利用の方に向けて1時間単位で課金されるプランもあるので短期利用が目的の方も格安でVPSを利用できます。
ConoHa VPSのメリットは価格の安さだけでなく、サーバー性能の高さとサポートが充実している点です。ダッシュボードは初心者にも扱いやすく設計されているので、初心者の方からベテランの方まで満足できるVPSとなっています。
マインクラフトのマルチサーバーを構築するためのテンプレートが用意されているので、ゲームサーバーが欲しいという方にもConoHa VPSが合っています。
ConoHa VPSは初心者の方からベテランの方まで幅広くおすすめできるVPSです。
圧倒的な安さと使いやすいダッシュボードで初心者の方にも安心です。
テンプレート機能があるのでマインクラフトのマルチサーバーも簡単に構築できるので、ゲームサーバーとして使うならば最高のVPSです。
2位【297円】WebARENA Indigo
費用 | 月額 297円 1時間 0.49円(月額上限 297円) |
初期費用 | 0円 |
CPU | 1vCPU |
メモリ | 768MB |
ストレージ | SSD 20GB |
無料体験 | なし |
備考 | IPv6のみ |
WebAREN Indigoは月額料金だけ見るとConoHa VPSにわずかに負けているのですが1時間単位の利用では半額以下で利用できます。しかも1時間単位で利用しても月額上限が297円なので、1時間単位で利用する方はConoHa VPSよりも圧倒的に安く利用できます。
WebARENA Indigoは料金が安い分、技術サポートが受けられないといった制限やダッシュボードが初心者向けでないといった面もあるのですが、その代わり基本的なLinuxのスキルがある方であれば安く利用できるというメリットがあります。
中級者以上の方であれば安く使えて最高のVPSのひとつと言えるでしょう。
注意点として、最安値プランはIPv6専用なのでIPv4でないとダメだという方はひとつ上のプランを選択する必要があります。
月額料金はConoHa VPSにわずかに届かないものの、1時間単位での利用はConoHa VPSの半額以下!
1時間単位で利用したい方にとって一番安く使えるVPSです。安い代わりにサポートは弱いのでサポートを必要としない中級者以上の方におすすめです。
3位【503円】ABLENET VPS
費用 | 月額 503円(年払いの場合) 月額 608円(半年払いの場合) 月額 712円(月払いの場合) |
初期費用 | 1,027円 |
CPU | 1vCPU |
メモリ | 512MB |
ストレージ | SSD 30GB HDD 50GB |
無料体験 | なし |
ABLENET VPSも格安で利用できるVPSで、稼働率99.99%以上という抜群の安定性を提供しています。
初期費用がかかるので初回支払い時は初期費用の分だけ高くなりますが、長期的に利用するのであれば気になる価格ではないでしょう。
稼働率99.99%以上の安定した動作で定評のあるABLENE VPSはサーバー運用などに向いているので、短期利用というよりは個人事業主の方など業務用途に向いています。
4位【550円】KAGOYA CLOUD VPS
費用 | 月額 550円 1日 20円 |
初期費用 | 0円 |
CPU | 1vCPU |
メモリ | 1024MB |
ストレージ | SSD 25GB |
無料体験 | なし |
KAGYOYA CLOUD VPSは1日単位で課金され、月額料金と比較して安い方を請求される仕組みになっています。使わない月は安く使えて毎日使っても設定された月額料金を超えない、という事です。
KAGOYA CLOUD VPSのメリットはCPUコア数・メモリ容量とストレージ容量の組み合わせを事由に選べるので柔軟にプランを組み立てる事ができる点です。
また、テンプレート機能があるのでGit LabやRedmineのように業務用途で使われるアプリケーションからマインクラフトまで幅広く構築できます。
個人の開発者やビジネスシーンで活躍しそうなVPSと言えるでしょう。
KAGOYA CLOUD VPSはCPUコア数とストレージ容量の組み合わせを細かく選択できるので、ご自身の利用用途に合ったプランを選択できるメリットがあります。
利用料金も1日単位で請求されますが月額の上限請求額は決まっているので、使わない月は安くたくさん使っても上限が決まっている安心感があります。
また、サポートが非常に充実しているので個人事業主は中小企業の業務用サーバーとしても最適です。
5位【590円】さくらのVPS
費用 | 月額 590円(年払いの場合) 月額 643円(月払いの場合) |
初期費用 | 0円 |
CPU | 1vCPU |
メモリ | 512MB |
ストレージ | SSD 25GB(50GBに変更可能) |
無料体験 | 2週間 |
さくらのVPSは複数リージョン(東京・大阪・石狩)を提供しており、リージョンによって価格が変わります。同じプランでもリージョンによって価格が変わりますが、安いリージョンが駄目ということはまったくないので安心してください。
さくらのVPSはサポートも充実していて初心者にも優しく、ダッシュボードも使いやすいため安くて使いやすいVPSを求める方にはピッタリです。
スタートアップスクリプトというOSインストール時のオプションでマインクラフトのマルチサーバーを構築できるので、格安で簡単にゲームサーバーを手に入れたいという方にはピッタリです。
老舗のさくらインターネットが提供する安心感は抜群で、2週間の無料お試し期間もあるので初心者の方には最適なVPSのひとつです。
マインクラフトなどのゲームサーバーにも向いています。
6位【830円】Xserver VPS
費用 | 月額 830円(36ヶ月払いの場合) 月額 1,150円(月払いの場合) |
初期費用 | 0円 |
CPU | 3vCPU |
メモリ | 2048MB |
ストレージ | SSD 50GB |
無料体験 | なし |
Xserver VPSは他のVPSに比べて圧倒的に高性能です。レンタルサーバーのエックスサーバーと共通ハードウェアのため高性能なのは当然といえば当然です。
Minecraft(統合版)やMinecraft(Java版)といった人気のゲームサーバーだけでなく、今話題のMastodonについてもVPS作成時に選択することで手間をかける事なく導入できます。
高性能でコストパフォーマンスの高いVPSを手に入れたい方はXserver VPSがおすすめです。
レンタルサーバーのエックスサーバーと共通ハードウェアのため高速に動作します。ゲームサーバーなど高速な動作を求められるサーバーの構築に最適です。
7位【873円】お名前.com VPS
費用 | 月額 873円(年払いの場合) 月額 985円(月払いの場合) |
初期費用 | 0円 |
CPU | 2vCPU |
メモリ | 1024MB |
ストレージ | SSD 100GB |
無料体験 | なし |
お名前.com VPSは最安値プランで唯一CPUが2vCPUとなっていてメモリも多く他のVPSよりも高性能です。
最安値プランを探している方には向きませんが、スペックを考えるととても安い価格設定といえるでしょう。ドメイン取得代行業者としては最大手なので、ドメイン取得と一緒にVPSも使いたいという方に向いています。
短期利用(1時間・1日単位)できる格安VPS
VPSを常時起動させることはない、時々しか使わない、だからとくにかく安く利用できないか?そういう方向けに1時間単位・1日単位で利用できるVPSを調査しました。
VPSサービス | 1時間 | 1日 | 月額上限 |
WebARENA Indigo | 0.48円 | 11.52円 | 297円 |
KAGOYA CLOUD VPS | ー | 20円 | 550円 |
ConoHA VPS | 1.1円 | 26.4円 | 682円 |
価格ではWebARENA Indigoが圧倒的に安いので、価格面を重視するのであればWebARENA Indigoが一番おすすめです。
KAGOYA CLOUD VPSは1時間単位での請求ではありませんが、CPUコア数・メモリ容量とストレージ容量の組み合わせを事由に選べるので自分に合ったプランを利用できるというメリットがあります。業務用途などで使うにはサポートも充実しているKAGOYA CLOUD VPSが最適でしょう。
ConoHa VPSは既にアカウントを持っている方におすすめです。短期利用目的であればWebARENA IndigoかKAGOYA CLOUD VPSの方が良いでしょう。
とにかく安くVPSを短時間利用したい方はWebARENA Indigoがおすすめ。プランを柔軟に選択したい方や充実したサポートが必要な方や業務用途で使いたい方はKAGOYA CLOUD VPSが圧倒的におすすめです。
ストレージサイズを変更・追加できるVPS
さくらのVPSとConoHa VPSはストレージサイズの変更・追加が可能です。
さくらのVPS | VPS作成時に内部ストレージのサイズを変更可能 NFS外部ストレージ追加可能 |
ConoHa VPS | 利用中に内部ストレージを追加可能 |
さくらのVPSはストレージサイズの変更とNFS外部ストレージを利用できる
さくらのVPSは内部ストレージの容量を変更できる他、NFSによる外部ストレージを追加することができます。
さくらのVPSはVPSを作成する際に1度だけストレージ容量を変更できます。料金は変更手数料のみですから、VPSの月額料金は変わりません。
利用中のVPSの内部ストレージは変更できず、内部ストレージのサイズを変更するにはスケールアップ時にストレージサイズを変更するか、新規にVPSを作成する必要があります。
利用中のプランによって変更後のストレージ容量が決まるので注意してください。
プラン | 元のストレージ容量 | 変更後のストレージ容量 | 変更手数料 |
512MB | 25GB | 50GB | 550円 |
1G | 50GB | 100GB | 1,100円 |
2G | 100GB | 200GB | 2,200円 |
4G | 200GB | 400GB | 4,400円 |
8G | 400GB | 800GB | 8,800円 |
16G | 800GB | 1600GB | 17,600円 |
32G | 1600GB | 3200GB | 35,200円 |
外部ストレージとしてNFS(ネットワーク・ファイル・システム)を使う事ができます。NFSのメリットは複数のVPSからマウントしてストレージを共有できる点です。
また、VPSを削除してもデータが残りますので、VPSとデータを分けて管理したい方にも向いています。その代わり内部ストレージに比べるとネットワーク経由でアクセスする分だけ読み書きの速度は内部ストレージほど高速ではありません。
ストレージ容量 | 月額 | 12ヶ月一括 |
100GB | 880円 | 9,680円 |
200GB | 1,738円 | 19,118円 |
400GB | 3,520円 | 38,720円 |
800GB | 7,040円 | 77,440円 |
1600GB | 13,200円 | 145,200円 |
3200GB | 26,400円 | 290,400円 |
ConoHa VPSは利用中のVPSに内部ストレージを追加できる
ConoHa VPSは利用中のVPSにSSDを追加する事ができます。サイズは200GBと500GBから選択可能です。
料金は月額料金と1時間単位の料金の2パターンあります。一時的に利用したい場合は1時間の料金が適用されるので安く利用できます。
ストレージサイズ | 月額料金 | 1時間単位 |
200GB | 2,750円 | 3.9円 |
500GB | 4,950円 | 7円 |
また、アクセス頻度は少ないけれど増加し続けるデータは大容量データを低コストで保存するのに最適なオブジェクトストレージが便利です。
初期費用 | 0円 |
転送料金 | 0円 |
月額料金 | 495円 |
1時間の料金 | 0.8円 |
ログファイルや大量の動画ファイル、画像ファイル、バックアップファイルなどを保管するのに便利です。100GBあたりの利用料金は次のとおりです。
バックアップ・スナップショットが使えるVPS
大事なVPSを守るスナップショット・バックアップシステムを提供しているVPSを調査しました。
お名前.comのみ基本機能としてスナップショットを提供しており他のVPSはオプション扱いです。唯一、ABLENET VPSは未対応でした。
ConoHa VPS | 自動バックアップ(オプション) |
さくらのVPS | Acronis Cyber Protect Cloud(オプション) |
お名前.com | スナップショット(基本機能) |
WebARENA Indigo | スナップショット(オプション) |
KAGOYA CLOUD VPS | スナップショット(オプション) |
ABLENET VPS | 未対応 |
ConoHa VPS
ConoHa VPSはオプションで自動バックアップ機能を提供しています。利用料金は次のとおりです。
バックアップサイズ | 月額料金 | 1時間単位 |
100GB | 330円 | 0.6円 |
300GB | 1,100円 | 1.7円 |
600GB | 2,200円 | 3.2円 |
自動バックアップオプションは最小プランである「512MB」プランでは利用できないので注意してください。
さくらのVPS
さくらのVPSはAcronis Cyber Protect Cloud というAcronis社が提供するバックアップサービスを利用できます。
Acronis Hosted(100GB) | Acronis Hosted(500GB) | |
課金最小期間 | 1ヶ月 | 1ヶ月 |
バックアップ容量 | 100GB | 500GB |
サーバー数制限 | 無 | 無 |
バックアップ先 | Acronisクラウドストレージ | Acronisクラウドストレージ |
⽉額料⾦ | 2,420円 | 12,100円 |
少し価格が高いのですが、さくらのVPS外部に保存するので信頼性という面ではメリットがあります。たとえばさくらのVPS内で障害が発生してディスクが破損した場合でもAcronis Cyber Protect Cloudは別会社でストレージも物理的に別の場所にあるためバックアップデータが失われることはありません。
お名前.com
お名前.comには標準でスナップショット機能があります。しかも無料で使えるので使わない手はありません。
スナップショットというのは短時間で取得できるのでOSやソフトウェアの更新など変更作業の前に取得しておくと便利です。
無料で使えて簡単に扱える点がスナップショットのメリットですが、バックアップファイルの様にディスク障害時に復元する目的では使えないので注意してください。
WeBARENA Indigo
WebARENA Indigoは手動でスナップショットを保存することができます。課金はスナップショット保存から破棄までの時間で計算されます。
1GB/1時間 | 0.0088円 |
1GB/1ヶ月 | 5.5円 |
KAGOYA CLOUD VPS
KAGOYA CLOUD VPSは手動と自動(定期)の2パターンでスナップショットを取得するオプションがあります。料金はスナップショットの保存容量によって決まり、保存容量10GBあたり日額 4.4円となります。
スナップショットを取得して放置していると毎日課金されるので注意が必要です。
まとめ
個人的に使ってみて、一番使いやすいと感じたのはConoHa VPSです。さすが人気ナンバーワンで利用者が多いだけあってダッシュボードの使いやすさは抜群です。価格も長期プランであれば大幅な値引きがあるので、長く安く使いたい方にはConoHa VPSがおすすめです。VPSを長く使っているとストレージ容量の不足に悩まされる事が多いので、内部ストレージを追加できる点も素晴らしいですね。
短期利用であればWebAREN Indigoが最適です。1時間あたり0.49円という驚異的な安さで利用できるので検証目的などにも使えます。ダッシュボードが若干分かり辛くサポートも弱いので中級者以上向けですが、とにかく安く使いたい方はWebARENA Indigoも選択肢に入れてはいかがでしょうか。
その他、個人的にはKAGYOYA CLOUD VPSがおすすめです。というのも、CPUコア数・メモリ容量とストレージ容量を自分の目的に合わせて選べるので柔軟性が高くサポートも充実しているからです。ぼくは個人事業主なので、仕事でVPSを使う場合はKAGOYA CLOUD VPSの利用頻度が高いです。柔軟性と信頼性を求めるのであればKAGOYA CLOUD VPSがおすすめですよ。
老舗の会社が良いという場合はさくらのVPSがおすすめです。わたしはさくらのVPSを常用していますが、昔は安かったのですが最近高く感じているので乗り換えても良いかなと考えています。2週間無料で使えますし老舗だけあって使いやすさは抜群なので、多少高くても安心して利用したいとう初心者の方には最適なVPSだと思います。中級者以上の方であれば別のVPSの方が安く利用できるので、あえてさくらのVPSを選ばなくても良いかな、と思います。