VPSサービスとして人気のある「さくらのVPS」を契約してサーバーを作成、ログインする方法を解説します。
VPSはサーバーの作成や削除がクリックひとつで済むのでテスト用サーバーを構築するにはとても良い選択肢です。
タップできる目次
さくらのVPSのはじめ方
まず最初にさくらのVPS公式サイトにアクセスします。
公式サイト: https://vps.sakura.ad.jp/
公式サイトにアクセスしたら申し込みをおこないます。どこでも良いのでクリックしてください(プランの選択は後でおこないます)。
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会員の方はログインします。まだ会員でないかたは「会員ログイン」をクリックしてアカウントを作成しておきます。
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サーバー選択
ゾーンを選ぶ
ゾーンは「東京」「石狩」「大阪」から選ぶことができます。性能jはどれを選んでも変わらないので一番安いゾーンを選んでおけば良いでしょう。
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プランを選ぶ
プランは512MBから32GBまであります。わたしの経験ではアクセス数の少ないシンプルなWEBアプリであれば512MBでもストレスなく動作します。
アクセス数が多いサイトやCMS(WordPressなど)を動作させる場合は1G以上、できれば2GB以上のプランががおすすめです。
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ストレージ変更オプション
プランによって標準装備のストレージサイズが異なります。最小の512MBプランで用意されている標準のストレージサイズは25GBです。一般的にこれで問題は起きませんがデータを蓄積していく予定の場合はストレージが足りなくなる恐れがあります。外部ストレージ(NFS)を利用することもできますが、最初からストレージ容量が足りないと分かっている場合はサイズの変更をしておくといいでしょう。
なお、ストレージサイズを変更しても月額料金は変わりません。請求されるのは変更手数料として1度のみです。
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購入台数
購入する台数を設定してから「次へ」をクリックします。
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サーバー設定
サーバー名
これは管理コンソールで表示される名前です。サーバー名は面倒なら入力不要です(「名称未設定」という名前になる)。なお、サーバー名は後から変更可能です。
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インストールするOSとバージョン
これは好きなOSを選んでください。WordPressを使うなら「KUSANAGI」が良いでしょうし、アプリ開発をしているのであれば「ubuntu」が良いかも知れません。RedHat系に慣れているのならば「CentOS」などを選べば良いでしょう。
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OSを選択するとOSバージョンを選ぶことができます。OSバージョンを選び管理ユーザーのパスワードを入力してください(赤枠の箇所)。
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スタートアップスクリプト
素の状態のLinuxを利用する場合は「利用しない」のままで結構です。スタートアップスクリプトを利用しない方はこの後の「パケットフィフター設定」まで読み飛ばして下さい(クリックしてジャンプ)。
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ここからしばらくスタートアップスクリプトを利用する場合の解説となります。
スタートアップスクリプトを使うと自動的にミドルウェアのインストールと設定をおこなうことができます。たとえば「マインクラフトのマルチサーバーを立てたい」という場合は自分でインストール作業をおこなうのに手間がかかったり失敗することもあるのですが、スタートアップスクリプトを利用すると誰でも簡単にサーバー構築ができます。
スタートアップスクリプトを利用する場合は「スタートアップスクリプトを利用する」をクリックします。そうすると「スクリプトを検索」というボタンが現れるのでクリックしてください。
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ボタンをクリックすると次のような画面が表示されます。赤枠で囲った箇所はスタートアップスクリプトの作成者です。慣れるまでさくらインターネット公式のスクリプトを選ぶようにしましょう。
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検索窓に「Minecraft」と入力すると次のように表示されるので「Minecraft Server(Java版)」を選んでみます。スクリプトを選択したら「利用する」をクリックします。
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スクリプトを選択したら「サーバー名」を入力して「バージョン」を選択し「 Minecraft使用許諾契約書に同意する」と「バージョン選択について理解した」にチェックを入れます。
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マインクラフトのマルチサーバーを立てる際の注意点
マインクラフトはサーバースペックを必要とするためプレイヤー数に合ったプランが必要です。参考値として以下のプラン構成で検討してください。
プレイヤー数 | プラン |
---|---|
4人以下 | 2GBプラン |
5~10人 | 4GBプラン |
11人以上 | 8GBプラン |
これはあくまでも最低限の推奨プランなので快適にプレイするにはひとつ上のプランも検討してください。さくらのVPSは2週間のお試し期間があるので、お試し期間中に実際にプレイして快適にプレイできるか確認することをおすすめします。
ただし無料お試し期間中は帯域制限があるのでサーバースペックが高くてもマインクラフトが重く感じることもあるので注意が必要です。
パケットフィルター設定
パケットフィフターの初期設定はSSHのみ許可する状態となっています。この設定は後で変更できます。
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スタートアップスクリプトを利用する場合は初期設定が変わることがあります。たとえばMinecraftのスタートアップスクリプトを選択するとパケットフィフター設定が外れます(全許可)。
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サーバーへのSSHキー登録
SSHで鍵認証をする場合はSSHキーの登録をおこないます。登録する場合は「登録する」を選択して「SSHキー」に公開鍵を貼り付けます。
SSHキーの登録をおこなわない方は「支払い方法」まで読み飛ばして下さい(クリックしてジャンプ)。
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SSHキーのつくりかた
Windowsの方ならばWindows10から、MacやLinuxならば初期状態でsshコマンドがインストールされているはずです。ここではWindows10/Windows11での実行例を掲載しますがMacもLinuxも同じです。
コマンドプロンプトを立ち上げて ssh-keygen
コマンドを実行します。わたしは接続するサーバーごとに鍵を分けているので、オプション指定で鍵に名前を付けてファイルに出力しています(-f infrapod.net)。
-f オプションを付けなければ初期設定でホームディレクトリ配下に .ssh/id_rsa
という秘密鍵と .ssh/id_rsa.pub
という公開鍵が作成されます。
C:\Users\infrapod>ssh-keygen -f infrapod.net Generating public/private rsa key pair. Enter passphrase (empty for no passphrase): Enter same passphrase again: Your identification has been saved in infrapod.net. Your public key has been saved in infrapod.net.pub. The key fingerprint is: SHA256:KhiEijB3vD9c9StG17LbPyfC9JtkivJMQlzGGbAmrgo admin@infrapod.net The key's randomart image is: +---[RSA 3072]----+ | ... | | . . o o | |+ o o . o * | |++ . o + + . . | |o . . . S . + . | | o + + . ..+ | |E . o = . +oo.o | | . . . ..= oo*oo.| | . o+ o.+++| +----[SHA256]-----+ C:\Users\infrapod>
これで infrapod.net と infrapod.net.pub という2つのファイルが作成されます(ファイル名を指定しない場合は id_rsaとid_rsa.pub)。そうしたら公開鍵を「SSHキー」に貼り付けてください。「.pub」という拡張子のファイルが公開鍵です。
間違えて秘密鍵を貼り付けてしまっても大丈夫です。次のようにエラーになります。ちなみに今回は解説のために秘密鍵のスクリーンショットを掲載していますが、皆さんは秘密鍵の取り扱いに注意してください。人に見せたり渡してはいけません。
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ただしく公開鍵を貼り付けると次のように表示されます。「パスワードを利用したログイン」は最初は有効のままにしておいて問題ありません。「次へ」をクリックして進みます。

支払い方法
支払いパターン
支払いパターンは「月払い」と「年間一括払い」があります。お得なのは「年間一括払い」なので長期的に利用される方は「年間一括払い」を選ぶと良いでしょう。
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支払い方法
支払い方法はクレジットカードがお得です。2週間無料のお試しを希望する場合はクレジットカード払いである必要がありますから注意してください。
なお、クレジットカードを選択した場合、ただちに請求がくることはありません。請求がくるのは本契約した場合のみです。2週間の無料お試し期間中に料金を請求されることはないのでご安心ください。
2週間無料のお試し
クレジットカード払いを選択している場合のみ「利用する」を選択できます。最後に「同意する」をチェックしてから「お支払い」をクリックして注文します。
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「お支払い」をクリックすると次のような画面に遷移します。
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これでサーバーの申し込みは完了です。登録しているメールアドレス宛に「お申し込み受付完了のお知らせ」という表題のメールが届いているはずなので確認してください。
この段階ではまだサーバーが用意されていません。[さくらのVPS] 仮登録完了のお知らせという表題のメールが届いたら管理コンソールで契約したサーバーにアクセスできるようになります。
さくらのVPSでサーバーへログインする
管理コンソールでサーバーを見てみましょう。わたしは複数のVPSを利用しているので一部ボカシをかけています。
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もう少し大きくしてみます。
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契約時にサーバー名を設定していませんでしたから「名称未設定」となっています。ここは変更可能です。
他には「帯域制限中」とありますが、これはお試し期間中のため10Mbpsに帯域が制限されているという状態です。また「OP25B」とありますが、これは外向けの25/tcp通信が制限されているという状態です。迷惑メール送信防止ですね。
そしてこのサーバーのIPアドレスは「160.16.88.143」となっています。
マインクラフトのマルチサーバーとして利用する場合はここで確認したIPアドレスを使います。また、無料お試し期間中は帯域制限があるのでゲームサーバーとして快適に利用できない場合があるので注意してください。
サーバーを起動する
それではサーバーを起動しましょう。まずは赤枠で囲った箇所のどこでも良いのでクリックします。
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クリックすると次のような画面に遷移するので赤枠で囲った「電源操作」から「起動する」をクリックしてください。
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確認画面が表示されるので「実行」をクリックします。
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「稼働中」になっていれば成功です。
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SSHでログインする
パスワード認証と鍵認証の2パターンを紹介します。まずはパスワード認証から。
パスワード認証でログインする
ログイン時のユーザー名はインストールしたOSによって変わります。またパスワードはサーバー作成時に入力したものになります。
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それではsshコマンドでログインしてみましょう。ここからはWindows10/Window11、Mac、Linuxで操作方法は共通です。
コマンドは ssh ユーザー名@IPアドレス
もしくは ssh IPアドレス -l ユーザー名
です。初めてログインする場合はログインするサーバーのフィンガープリントがローカルに登録されていないため「Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?」と聞かれるので「yes」と入力します。
C:\Users\infrapod>ssh ubuntu@160.16.88.143 The authenticity of host '160.16.88.143 (160.16.88.143)' can't be established. ECDSA key fingerprint is SHA256:qwisbe2tTbN0Bo3IPF52I1jsheNteJYXRSljes+zhqg. Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? yes Warning: Permanently added '160.16.88.143' (ECDSA) to the list of known hosts. ubuntu@160.16.88.143's password: Welcome to Ubuntu 20.04.2 LTS (GNU/Linux 5.4.0-80-generic x86_64)
鍵認証でログインする
公開鍵を登録している方のみ鍵認証でログインできます。
コマンドは ssh -i 秘密鍵のファイル名 ユーザー名@IPアドレス
もしくは ssh -i 秘密鍵のファイル名 IPアドレス -l ユーザー名
です。わたしは秘密鍵のファイル名を初期値から変えているので -i 秘密鍵のファイル名
としていますが、そうでない方(.ssh/id_rsaが秘密鍵のファイル名の方)は秘密鍵のファイル名を指定する必要はありません。
C:\Users\infrapod>ssh -i infrapod.net ubuntu@160.16.88.143 Welcome to Ubuntu 20.04.2 LTS (GNU/Linux 5.4.0-80-generic x86_64)
こんな感じでログインできます。
サーバーを起動してVNCコンソールでログインする
何らかの理由でSSHログインできない場合がありあす。そのような場合はVNCコンソールというものでログインできます。簡単にいうとサーバーの画面に直接アクセスするようなものです。
この方法は簡単です。「コンソール」から「VNCコンソール」をクリックします。

クリックするとポップアップ画面が表示されてログインできる状態になります。万が一リモートログインできなくなったらこのようにVNC接続でログインできます。
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シリアルコンソール(β版)でログインする
VNCコンソールの他にシリアルコンソールというものもあります。
シリアルコンソールでログインするためには「コンソール」から「シリアルコンソール」をクリックします。

ログインすると次のような画面が表示されます。
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エンターキーを押下するとログインプロンプト(loing:)が表示されるのでVNCコンソールと同様にログインできます。
お試し期間を途中で終了したい場合
お試し期間を利用している場合、2週間後に自動的に本契約となります。しかしお試し期間中でも本契約に変更したり解約したりできます。
通信速度制限を解除したりOP25Bを解除したりするために本契約に変更するにはサーバーの詳細画面から「本登録」をクリックします。
本登録をすると制限は解除された状態で利用できるようになります。請求は2週間後からなので、お試し期間に本登録へ以降しても請求が早まることはないのでご安心ください。
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もしくはお試し期間中にキャンセルしたい場合もあると思います。お試し期間中にプラン変更はできませんからプランを変更して試したいという場合などは「申込み取消」をクリックします。
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このように確認画面が出ますので「申込を取消」をクリックします。申込みを取り消すとサーバーに残っているデータにアクセスできなくなりますので、必要であればあらかじめダウンロードしておくなど対策してください。
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まとめ
VPSは通常のレンタルサーバーのようにWordPressをインストールして運用する事もできますし、あるいはテスト用のサーバーとして運用する事もできます。
VPSのメリットはサーバーの作成や削除が簡単に実行できる点です。サーバーを初期化すればクリーンインストールされた状態になりますし、複数のOSで動作を試したければ簡単にOSを入れ替えて動作を確認する事だってできます。
LinuxやFreeBSDでテスト用サーバーを使いたい場合には是非ともさくらのVPSを試してみては如何でしょうか。
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