いざサーバーを使おうと思うと、レンタルサーバーが良いのかVPSが良いのか迷っている方が多くいらっしゃるかも知れません。
レンタルサーバーってVPSと何が違うのか?どちらを選べば良いのか?メリットやデメリットが分かり辛いと思います。そこで、現役エンジニアがレンタルサーバーとVPSの違いや選び方のコツを詳しく解説します。
タップできる目次
レンタルサーバーとVPSの違い
そもそもレンタルサーバーとVPSの違いとは何でしょうか?違いやメリット・デメリットを正しく理解して自分に合ったサービスを選ぶ事ができるようにしましょう。
レンタルサーバーとは?
レンタルサーバーには「共有サーバー」「専用サーバー」「マネージドサーバー」という3種類のサービスがあります。皆さんの多くが利用されるのは「共有サーバー」でしょう。
このWEBサイト(サーバー専科.com)も共有サーバーを利用して運用しています。
サーバーの種類 | 誰が使うか | サーバーのメンテナンスをする人 |
共有サーバー | 複数利用者でシェア | レンタルサーバー会社 |
専用サーバー | 自分だけ | 利用者自身 |
マネージドサーバー | 自分だけ | レンタルサーバー会社 |
共有サーバーは1台のサーバーをたくさんの利用者で共有します。ですから高性能なサーバーを安く利用できるメリットがあります。サーバーのメンテナンスもレンタルサーバー会社が代行してくれるので運用が楽な反面、自分でアプリを自由にインストールできません。ですからゲームサーバーなどには向きません。
WEBサイトを公開するという使い方であればコストパフォーマンスが最も高い共有サーバーがおすすめです。
専用サーバーを使うとサーバーのスペックを自由に選べます。超高性能なサーバーにしたり、カスタムボードを搭載したりできます。専用サーバーのメリットは安定した電源を供給できて騒音問題もない点です。自宅サーバーには騒音や排熱、火災の問題がありますが、専用サーバーであればそのような問題がありません。
その代わり価格が高くサーバーも自分でメンテナンスしないといけないので運用が面倒です。パーツが故障した場合は自分で交換する必要があるため、ハードウェア故障時は非常に面倒です。
マネージドサーバーは専用サーバーと同じくサーバーのスペックを自由に選べます。専用サーバーとの違いは「誰が管理するか」という点です。マネージドサーバーであればレンタルサーバー会社にメンテナンスを代行してもらえるので高性能なサーバーを独り占めしつつ管理は任せる事ができるという、良いとこ取りをできるサービスです。
もちろん、その代わり価格は非常に高くなります。
VPSは仮想版専用サーバー
VPSはVirtual Private Serverの略で、仮想サーバーを専用サーバーのように使えるサービスです。
専用サーバーでは物理サーバーを利用できるのに対して、VPSは「仮想サーバー」を利用できます。1台の高性能なサーバーの中にたくさんの仮想サーバーを作成し、その仮想サーバーを丸ごと利用できるのがVPSというサービスです。
高性能な1台のサーバーを複数の利用者でシェアする点は共有サーバーと同じなのですが、VPSの場合は専用サーバーのようにサーバー1台丸ごと自分で使えるので、OSをカスタマイズしたり自由にアプリをインストールできる反面、サーバーのメンテナンスは利用者自身でおこなう必要があります。
専用サーバーとの違いはハードウェアをカスタマイズできない点です。CPU数やメモリサイズはある程度自由に変更できますが、カスタムボードを搭載するなどハードウェア面での変更はできません。
レンタルサーバーが向いている人・VPSが向いている人
共有サーバー | VPS | |
価格 | 安い | 安い |
アプリのインストール | ||
サーバーのメンテナンス |
共有サーバーにはインストールされていないアプリを使いたい場合や、自分で開発したアプリを使いたい、ゲームサーバーにしたいという場合はVPSが最適です。
VPSは非常に安い価格で利用できるものがあるので、おすすめの格安VPSを探している方はランキング記事を参考にしてみてください。
また、VPSはWindowsも使えるので自宅パソコンとは別に趣味や仕事用にパソコンが欲しい方はWindows ServerのVPSがおすすめです。
一方、WordPressでブログを公開したいという方は共有サーバーの方が向いています。共有サーバーであれば最初からWordPressがインストールされている事が多いですしサーバーのメンテナンスが不要なので記事に執筆に専念できます。
レンタルサーバーは多くのサービスが展開されていて迷ってしまうと思うので比較記事を参考にご自身に合ったレンタルサーバーを探してみてください。
VPSはAWSと何が違うの?
VPSの話をするとAWSと何が違うのか?という質問をよく受けます。AWSにはEC2というVPSに似たサービスがあり、EC2もVPSと同じ仮想サーバーなのでEC2だけ見るとVPSと変わりません。
AWSの特徴はネットワークインフラをクラウド上で自由に作成できる点です。サーバーやネットワーク機器を購入してデータセンターでラッキングしケーブル接続して使うというやり方が以前は一般的でしたが、同じようなネットワークをクラウド上で一瞬で構築できるのがAWSの強味で、企業を中心にAWSの利用が増えています。
また、Lambdaというサーバーレス機能を使ってサーバーを構築することなくアプリを動かしたり、AWSが用意しているデータベースサーバーを使ったり自動スケール機能が使えるなど、業務用途でアプリを効率よく動かすための機能が豊富に用意されています。
VPSにもロードバランサーやデータベースが用意されている場合がありますが、AWSは小規模から大規模なネットワークでも動作する柔軟性と信頼性が高いインフラを構築できるという違いがあります。
AWSは従量課金制で費用が高額になってしまう場合があるので、ブログサービスなどでの利用はおすすめしません。
おすすめのVPS・レンタルサーバーについて
どのVPSを使えば良いですか?レンタルサーバーはどこが良いですか?という質問を多く受けるのですが、正直に言うとどれを使ってもさほど変わりません。
高性能なサーバースペックを強調しているレンタルサーバーなどはあるのですが、スペックの差が体感的に分かるほど負荷がかかる事はほぼないので、どのVPSやレンタルサーバーを使っても変わらないというのが本音です。
ただし価格設定などは各社差があるので、長期利用するから値引きして欲しいだとか短期(数時間や数日)の利用で良いので安く使いたいだとか、そういう希望があればおすすめのVPSやレンタルサーバーはご紹介できます。
価格の安いVPS
価格が安いVPSであればConoHa VPSやWebAREN Indigoあたりが格安で利用できます。ConoHa VPSは初心者にも使いやすいダッシュボードが使えるのでVPSに慣れていない方におすすめできます。短期利用の場合、中級者以上の方であればWebAREN Indigoもおすすめです。
詳しくはおすすめVPSの比較記事をご覧ください。
レンタルサーバーは初心者向けのロリポップか中級者以上向けのエックスサーバーがおすすめ
レンタルサーバーは違いがわかりづらく、比較が非常に難しいです。性能が高いサーバーを使えるといってもシェアサーバーなので正直なところ各社の違いがほとんど分からなくなります。
実はぼくも高性能サーバーを提供するレンタルサーバーに乗り換えた事があるのですが、表示速度が劇的に変わるわけでもなく自己満足に過ぎないという事を知りました。
ただし、あえて言うならば初心者の方はロリポップ!がおすすめです。というのもロリポップ!は初心者向けにサービスを提供しているので利用者が多く初心者向けのサポートも充実しているからです。使い方を解説しているサイトも多いので、初めてレンタルサーバーでブログを始めたいという方にはロリポップ!が合っています。
中級者以上の方であればエックスサーバーがおすすめです。エックスサーバーは安定していて信頼性が高いので商用サイトなどでも利用者が多いです。このサイトもエックスサーバーで運営しているのですが、アクセス数が爆上がりしても余裕で耐える事ができるので、アクセス数が多いサイトや商用サイトでの利用に合っています。
初心者向けの技術解説
レンタルサーバーであれば記事を書いたり画像ファイルをアップロードする作業はWEBブラウザで完結できるので、特別な知識はほとんど必要ありません。WordPressであれば、WordPressの使い方を覚えてしまえばすぐにブログを始められます。
一方、VPSの場合はアプリをインストールしたりOSやアプリの更新などを自分でおこなう必要があります。Windows Serverであればリモートデスクトップが使えるので問題はいのですが、サーバーOSとしてよく使われるLinuxの場合、コマンドラインでリモートログインして作業する必要がでてくるので、その際に必要な知識を解説したいと思います。
まとめ
WordPressなどのブログサービスを使ってブログを公開したい方はレンタルサーバー(共有サーバー)を使いましょう。初心者の方であればロリポップ!、中級者以上の方であればエックスサーバーがおすすめです。
自分の好きなようにアプリをインストールしたり自作アプリを動かしたい場合はVPSを使いましょう。価格重視ならばConoHa VPSやWebAREN Indigoがおすすめです。